北方シネマスタート記念として行われている北九州市立大学の公開講座、「ドキュメンタリー映画を楽しもう」第2回、第3回が行われました。この講座は全5回で、7月の毎週土曜に開催されています。第2回は7月8日、第3回は本日15日でした。
第2回は、ドキュメンタリー映画を「つくる、撮る」立場である映画監督の講演として、女性映画監督の纐纈(はなぶさ) あやさんをお招きしました。纐纈さんが映画を撮るようになったきっかけから、撮影する現場にどのように入っていくのか、またそこでの人との関係の作り方など、普段なかなか聞くことのできないお話を聞くことができました。受講生の方も、話を聞いていた本校の学生も、聞いていて「自分も何かしたい」とワクワクするようなお話ではなかったでしょうか。
第2回 特別講演「ドキュメンタリー映画の中の私」
(講師 映画監督・纐纈 あやさん)
また、本日行われた第3回の講義は、映画プロデューサーの川井田さんと小倉昭和館の館主である樋口さんの対談がメインに行われ、映画を「うみだす」立場と、その生み出された作品を人々に提供する最後の役である「みせる」立場のお二人の話を伺いました。
第3回 対談「映画をうみだす・映画をみせる」
(映画プロデューサー・川井田博幸さん、小倉昭和館館主・樋口智巳さん)
樋口さんのお話は小倉昭和館の歴史から始まり、現在北九州における映画を取り巻く環境のお話、以前から行なっていた年に1度のドキュメンタリー特集や新しく始めたシネマカフェ、休館日の取り組みについてなど、「映画をみる」人に、どのようなことを思い「映画をみせて」いるのかという熱い気持ちが語られました。
一方、グループ現代に所属しておられる映画プロデューサーの川井田さんは、ドキュメンタリー映画の起源やドキュメンタリーの歴史を作り始めた方々の名前をあげられ、どのようにして日本でドキュメンタリー映画が生まれていったのかについて話してくださいました。
講座の終わりの方では、受講生の質問を受けながらお二人が意見を述べられる、会場が一体になって議論ができる場になりました。
樋口さんの対談での発言を元に、「お客さんの入りが少なくても、作品の手応えを感じたというのはどのようなところからか」といった質問や、「福岡には映画祭(アジアフォーカス・福岡国際映画祭)があるのに北九州にはなぜそういったものがないのか」「アジアといっても中国・韓国以外の西アジア、中央アジア、東南アジアといった地域の作品にも目を向けるべきではないのか」「これから映画をみる、つくることに関わっていきたい若い人に期待することは何か」などなど、受講生からは多くの熱心な質問が投げかけられました。
次回のゲストは映像作家の上田謙太郎さん(代表作品『調律師とピアニスト』)
次回、7月22日の公開講座では、映像作家の上田謙太郎さんをお呼びします。講演タイトルは「映像を作ろう」。講演後には特別に、学生10名限定で、実際に映像をつくるワークショップを開いてくださることになりました。北九州市立大学の学生であれば無料で参加できます。ぜひご参加ください。